そもそもIRONMANとは?
世界最大規模&最古のロングディスタンス・トライアスロン・シリーズで、
「Anything is Possible(不可能はない)」がテーマの、究極のエンデュランスレース。
IRONMANは、世界22ヵ国で年間40大会開催されている、世界最大規模&最古のロングディスタンス・トライアスロン・シリーズ。レース距離は以下のとおり。
レース距離
総合順位もつくが、早くから5歳刻みの年代別(エイジグループ)カテゴリーごとに順位を競う考え方が浸透、生涯競技を楽しめるマスターズスポーツとして成立している。
その人気は、発祥国アメリカにとどまらず、世界各地域で独自の発展を見せており、特にヨーロッパ(ドイツ、スイスなど)、オセアニア(オーストラリア&NZなど)では、それぞれが「本場」と呼べるほどの人気を誇る。
特筆すべきは、このレースがプロの競技としてよりむしろ普通の人が参加しているレースとして、多くの人に愛されているということ。もしかしたら、あなたと同じ街に住む、同じような世代の人も、厳しいトレーニングを積んで、この超人レースに挑んでいるかもしれない。
IRONMANのテーマは「Anything Is Possible」。毎年多くのアスリートが、これを身をもって証明している。
KONA(アイアンマン・ハワイ)とは?
「IRONMAN」オリジナル(元祖)レースであり、現在はアイアンマン世界選手権となっている。
1978年2月18日、ハワイ・オアフ島ワイキキで始まった「IRONMAN」オリジナル(元祖)レース。その後、アイアンマン世界選手権(World Championship)と位置付けられ、開催地をハワイ島コナ(KONA)に移す。2018年は世界83カ国・地域から、約1700人が参加しています。
KONAには、どうやったら行ける?
毎年約40大会あるIRONMAN(または一部の70.3大会)で、年代別上位入賞し、
KONAスロット(=出場権)を獲得する。
基本的に世界各国のアイアンマン・シリーズ戦(予選レース)で上位入賞して出場権を得ることで出場できる「世界選手権」(World Championship)。
各シリーズ戦に配分されている出場権(=スロットといいます)数は30~40のみ。男女各年代別カテゴリー(エイジカテゴリー)の出場者数に応じて案分されるので、出場者の少ない年代・性別ではカテゴリー優勝しなければ権利を獲得できないほどの難関。
大会ごとのスロット数は、大会のグレード(重要度)などに応じて配分されており、地区選手権(北米、欧州、アジア太平洋、アフリカ)が80、一般的なシリーズ戦が30~40。一部の70.3(※2018年は中国開催など5大会)にはKONAスロットが用意されています(25~30枠程度)。
そのほか、純粋な抽選(Kona Lottery)や、Legacy Program(アイアンマン・シリーズ戦12大会以上に出た人などが対象の抽選)などにより出場権が付与される制度もあリます。
KONAに行く人は、どれくらいスゴい?
出場者の1週間の平均練習量は、水泳11km、自転車360km、ランニング77km。
トレーニング量については、KONA出場全選手の「平均値」が公表されています。
KONA出場選手の1週間の平均トレーニング量
トレーニング時間: 18~30時間
平均的な3種目の練習量: 水泳7マイル(約11㎞)、自転車225マイル(360㎞)、ランニング48マイル(約77㎞)
大変な鍛錬を積み重ねたアスリート達が集うレース、ということが分かりますね。
KONAと他のIRONMANはどう違う?
各国・各年代のチャンピオンクラスがつくる世界最高峰のレースが「KONA」。
予選レースの中でも比較的レベルが高い「アジア太平洋選手権」のケアンズ大会と、「欧州選手権」フランクフルトですが、KONAでは全選手の平均フィニッシュタイムが10時間40分ほどで、ゆうに11時間を切るのに対し、ケアンズ、フランクフルトは12時間ほどです(いずれも2018年大会)。
一般的にコースや気候(暑さ)の面では、ケアンズ、フランクフルトよりもKONAのほうがタフな設定とされていることも加味すれば、その差は歴然。
世界でも屈指のアイアンマンが集い、一年で一番のピークパフォーマンスをぶつけ合って競う――。KONAのレースが、アイアンマンの中でも特別と言われるゆえんは、開催場所やコース、運営などイベント自体の魅力ではなく、各国・各年代のチャンピオンクラスがつくる世界最高峰のレースであるからなのです。
何時から何時くらいまで、どんなところを走る?
早朝6時35分~深夜12時20分まで。
強い日差しと強風の溶岩原バイクコースを疾走し、日没後真っ暗な中走る選手も
レースの舞台はアメリカ・ハワイ島コナを拠点とするエリア。バイクコースは、キラウェア山とマウナロア山というふたつの巨大な活火山を擁するハワイ島の溶岩原の中を貫く「クイーンKハイウェイ」を往復。平均気温26°Cながら日差しは強く、海岸から吹き付ける強風「コナウインド」は瞬間風速25mを超え、強い台風レベルになることも。
レース開催時間は、早朝6時35分~深夜12時20分まで。プロ男女、エイジグループ(一般)男女ごとの時差スタートで、一般選手の制限時間は17時間。
日没後のランコースは真っ暗になるため、当初は「10月の満月に一番近い土曜日」に開催されていましたが、近年は10月の第2土曜日に開催されています。
KONAにはどんな人達が出ている?
トッププロや著名人ほか、一般の18歳から85歳までの選手が出場。
最年少選手は18歳、最年長は稲田弘さんの85歳。
2018年大会にはロンドン五輪金メダリストでツール・ド・フランスなどでも活躍した元トップサイクリスト、アレクサンドル・ヴィノクロフ(カザフスタン)が竹谷賢二さんと同じエイジグループで出場していましたが、過去にもローラン・ジャラベール(フランス)など世界の名だたるトッププロサイクリストが、引退後、一般選手として予選を経て参戦。
そのほかにも元F1レーサーで事故で両脚を失った後、ハンドサイクルでパラリンピック金メダリストにもなったアレッサンドロ・ザナルディ(イタリア)や、年収73億円のカリスマ料理人 ゴードン・ラムゼイ(スコットランド)、NASAの宇宙飛行士など、さまざまな著名人が、コナに憧れ、コナのレースに挑んでいます。