国内のトライアスリート約1.5万人を対象に実施した【トライアスロンリサーチ2019】の結果速報。
続いて《にっぽんのトライアスリート》の使用アイテムや、人気ブランドをめぐるリサーチ結果を紹介していこう。
トライアスロンリサーチ2019結果速報 【属性編】はこちら
スイムまわり
ゴーグルはVIEW、SWANS、Aqua Sphereの3強。ウエットは4割が〈オーダーメイド〉
3種目の中では比較的使用アイテムが少ないスイム。その中でもギア選び・ブランド選びが楽しめるゴーグルでは、オープンウォータースイム(OWS)での使用を想定したモデルを打ち出しているVIEW、SWANS、Aqua Sphereが3強ブランドだが、頭ひとつ抜きんでたのが国産ブランドのVIEW。始める上での障壁は取り払われているとはいえず、男女比9:1から脱していない。
浸水(フィット感)やくもりなど、特にレースでのOWSで大きなストレスや不安につながるポイントを解消した「DELFINA(デルフィナ)」(=写真)などが、トライアスリートに支持されている。
もうひとつレースを左右するこだわりどころのウエットスーツについては、ZOOT、2XU以降、レディメイド(既製品)も増えてきた印象があったが、依然「日本特有のアイテム」といわれるメイストームやショップ・オリジナルなどの「オーダーメイド・ウエットスーツ」が強く、全体の4割を占める。
BIKEまわり
ロードバイクのみで勝負するトライアスリートが半数を占める
所有するバイク(自転車)が平均2台として、1台はロードバイク、もう1台がTT(タイムトライアル)またはトライアスロンバイク――というのがトライアスリートとして王道かと思われるが、日本国内でのライド環境もあってか、ロードのみで勝負しているトライアスリートも依然多く、全体の半数を占める。
宮古島などのロングディスタンス・レースでも、日本の場合、ロードバイクの使用率が高く、半数近くを占めていることを考えると、納得感のある結果。
KONAでは7年連続シェアNo1のサーヴェロが4位。ほぼTTモデルのみのシーポが健闘
トライアスロン関連の人気ブランドランキングの中では、最も注目を集めるバイク。
前項でも触れた(レースでも)「ロードバイク比率が高い」という日本特有の事情を考えると、ロードもTTもラインアップが充実しているスペシャライズド、トレックの2大アメリカンブランドが1・2位を占めるのは、妥当な結果に見える。
一方、KONAなど海外のアイアンマンシーンなどでは圧倒的な人気を誇るシェアNo1ブランド、サーヴェロがこの国内ランキングではトップ3入りを逃している。
シーポ、ブリヂストン/ANCHORの国産2ブランドが人気ランク上位に確実に入ってくるのは、言うまでもなく日本特有の現象だが、それにしてもほぼTT&トライアスロンバイクのみでの商品展開となるシーポが3位に入ってくるあたりは、さすが。日本発の100%トライアスロンバイクブランドの面目躍如といったところ。
高まるクリンチャー使用率。チューブレスの普及はまだまだ
かつてのトライアスロン大会、特にロングの大会では、決戦タイヤはチューブラー(※タイヤとチューブが一体となっているタイプ)という向きが多数を占めたが、クリンチャー(タイヤとチューブの組み合わせで使用するタイプ)の性能が高くなっていることも手伝ってか、今回の結果では、クリンチャーのシェアが圧倒的に高かった。
ダイレクト感の高い走行性能に加え、耐パンク性も高く、各メーカーがトライアスリートにも推奨しようとしているチューブレス(文字通りチューブがなく、タイヤのみのタイプ)については、まだまだ浸透度が低く、いわゆるトライアスロン・ショップ(トライアスロン系のバイクショップ)で使用を勧められることも少ないようだ。
パワーを指標とした練習&レースは、もっと広がる余地あり
ペダリングにより生み出した出力(ワット=W)をリアルタイムで把握・記録できるパワーメーターの普及率は30%。
パワーを指標とすると、トレーニングでの的確な強度設定や、より適正なレースペースの設定、レースでの走りの緻密な分析など、できることは多く、トライアスリート的にも導入しない理由はないくらい便利なものだが、まだまだ広く一般化するには至っていない。
日本人の頭にフィットしやすい、OGKカブトが根強い人気
バイク・ヘルメットのカテゴリーでは、OGKカブトが人気No1。日本人の頭にフィットしやすい国産ブランドの雄だけあって、元々、トライアスリートの間でも高いシェアを誇るが、近年ショートタイプのシールド付きエアロヘルメット「AERO R-1」(=写真)など、コストパフォーマンスの高いヒット作をリリースして、GiroやKaskなどの名だたる海外ブランドを圧倒している。
RUNまわり
4足持ちで、いろいろなブランドを使い分ける。
ランニングシューズの平均所有数は「4足」。一度、気に入ったブランドのシューズをはき続けるというよりは、最新&話題のモデルをいろいろ試して、トライアスロン大会やマラソン大会、トレーニングの内容などによって複数ブランドのシューズを自由にはきわける――こうした傾向はトライアスリート特有と言っていいだろう。
人気ブランドランキングは「アシックス」が依然トップ
一方で、人気ブランドランキングでは、KONAの使用率ランキングで1・2位を占めるHOKA ONE ONEやNikeなど最新&話題のモデルをリリースしているアメリカン・ブランドをおさえてアシックスが人気No1。
日本国内でも着実にブランドファンを増やしてきた「On」がこれに続いて2位に入るなど、日本特有の人気ランキングとなっている。
世界でもトップシェアの「ガーミン」が、国内でも独り勝ち
心拍計やGPSによる距離・スピード計測、簡易的な動作解析、コンディション分析などの多機能を備えたマルチスポーツウォッチでは、世界を席巻する「ガーミン」が日本においても一強。
かつて強みとしてきたGPS精度以外に、トレーニングデータ解析アプリや、ランニング時の動きを測定・解析する機能に磨きをかけ、ペダル型のパワーメーター「Vector」など扱いやすくトライアスリートの練習にも活用しやすい関連アイテムなども充実させて、国内史上でも、ほかの競合ブランドを圧倒している。
KONAチャレンジEXPOでリサーチ結果をリアル展示
今回の調査結果は、4月28日(日曜日)開催のKONAチャレンジEXPO会場に展示します。人気ブランド・ランキングでトップに入ったブランドのバイク&アイテム実物の展示や、KONA(アイアンマン世界選手権)でのランキングとの比較なども紹介しますので、ぜひご来場ください。予約なしで当日参加可能です。
https://kona-challenge.com/expo/
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