KONA CHALLENGE V2
コナからはじまる挑戦。

夢を夢のまま終わらせたくない挑戦者のためのプロジェクト「コナチャレ」。
今回のコナで初完走を果たしたふたりの卒業生と、4位入賞を果たしたプロジェクトリーダーTKが語る、コナチャレの来し方・行く末

TK 竹谷賢二さん 〈M55-59〉

MTB競技のオリンピアンで、引退後トライアスロンに参戦。今回のコナで10回連続完走・年代別4位入賞を果たしている。

須田 光さん〈M50-54〉

大学時代にトライアスロンを始め、30年来の夢だったコナ出場をかなえたコナチャレ1期メンバー。2022年のIM西AUSで出場権を獲得。

今井達也さん〈M55-59〉

トライアスロン歴31年。コナチャレ1期から参加して2期でニース&コナ2大会連続の世界選初出場を果たした、コナチャレの申し子。

前まで30秒、後ろと1分差。ヒリヒリした闘いの喜び

――竹谷さんはコナチャレでは、指導者、監督ではなく「プロジェクトリーダー」という位置づけですが、リーダーとして見事な年代別4位入賞でした。

TK自分も同じ方向を見て頑張るリーダー、だから前にいるみたいな感じですね。今回はコナ/ニース2拠点開催が決まる前、2022年のアリゾナ大会でスロットを獲っていたので、この2年間で表彰台を目指す――これが自分のコナチャレでした。

決めたことを決めた通りにやったらバイクは4時間46分くらいかなという想定通りで、2位くらいまで上がって「よし、行けた!」と思ったんですけど、そこから意外と前と差が変わらず。縮まらないどころか、後ろの人が速い!最終的にはエイジ優勝したその人に抜かされて、その後、ずっと3位だったんですけども、帰りのクイーンKでまた抜かれて4位。しかも後ろも結構近い! 前との差30秒、後ろ1分。前を追いたいけれど、後ろも心配。そのまま膠着状態で、最後にもう一段階、上げて出し切っていったら、フィニッシュ直後、オールアウトして倒れちゃいました。こういう30秒、1分差でヒリヒリした戦いができるというのはしびれるというか楽しいですね、やっぱり。こんな楽しみ方ができるのはここ(コナ)だけですから。

結果は結果なので仕方ないですが、準備の過程ですでに多くの収穫を得ていたので、この良い感触でもうちょっとやれるなという手ごたえはあります。

30年来の夢だったコナで
実際、得られたものとは?

須田竹谷さんの後でコメントしにくいですけど(笑)自分は何となくコナに行きたいなって思い始めてから30年来の夢でした。でも、いつか行ける日がくるとしたら60代ぐらいかなと思っていました。まわりが辞めて、自分が維持していけば、どこかでチャンスが回ってくるんじゃないかと。そう思っていたところコナチャレ(1期)に選ばれて自分も行けるんじゃないかと勘違いしたんですよね。良い意味で。

コナチャレが始まって最初のレースが2018年のバッセルトンで、そのときは10時間10分くらい。当時の45―49(歳カテゴリー)では全然引っかからない。それが50―54になると、何とか引っかかりそうだったので、自分の中で、エイジアップするときを狙おうと目標が定まりました。で、2022年のバッセルトンで、ギリギリ5位で出場権を獲れたんです。

そこからは竹谷さんと同じで(コナ/ニース体制になった影響で)2年間、間があいたんですよね。準備期間が長い分、しっかり時間をかけて準備してきたつもりではあったんですが、終わってみればあっと言う間でしたね。あー、この数年間楽しみにしてきたイベントが、もう終わっちゃったと。

今回の目標はまず完走することでした。何かトラぶって完走できないっていうのは絶対避けようと。パンクもしっかり対策したりとか、追い込んで、潰れるのも嫌だったので、8割くらいの力で、笑顔でゴールするのが目標だったんですけれど、そういう意味では、目標達成できたのかなと思います。コナチャレでもコナへ出た人たちからいろいろ経験談を聞いてきましたが、やっぱり自分で体験しないとわからないことが多いですよね。YouTube動画も、もう多分100回以上見てるんですけど、人それぞれ感じ方は違うので、1回来て、自分で走らないと。

TK次を目指したくなりました?

須田今は終わったばかりなので、なんとも言えないですけれど、もし次、狙うとしたら55―59にエイジが切り替わるときかなぁと。5年に一度のルーキーイヤーを狙う。

TK5年後にまた目指すのは、それはそれで難しいと思います。今のようにまた頑張れるかっていうと、やっぱりパフォーマンスは目減りしていくんですよね。私もそうですが、できる限りのトップレベルの取り組みを自分の中でやって、やっと微減なんですよ。

もし5年後でいいやと思って、ちょっと取り組みが下がると、もう取り返しがつかないぐらい落ちてる。一方でこの大会もそうだし、各大会のトップ層は年齢に対してパフォーマンスが微増してるので、例えば5年前の55―59の成績を見ると、今はかなり速くなってる。だから5年後はもっと高い着地をしないといけない。そこそこ維持では、加齢の壁には勝てません。

須田なるほど。若ければそこそこ練習しておいて維持して、やる気になったときに少しやれば伸びますが――。

TKそれは通用しないですね。現時点でキレキレで余力があれば多少落ちてもいいんですけれど。今ギリギリ滑り込みでコナに出ているのであれば、5年後また狙うなら、今のうちに未来を思い描いておいたほうがいいと思います。ただ、今回の須田さんのように、自分なりの落としどころを決めてやるっていうのは、ひとつ良い方法だなと思います。それは別に誰が何と言おうと、自分で決めたことだから、それでいいと思いますし、その分、ちゃんと自分で見聞きして得るものがあるから。

レース翌日のアワードバンケットには、多くの選手・関係者が参加し、プロ~エイジの上位入賞者を称える

目標を達成した後
どこに身を置くかは自分次第

今井私も須田さんと同じでコナ出場は30年来の夢でした。94年からトライアスロンを始めて、それこそまだビデオテープの時代から毎年見ていたので、映像は頭に焼き付いているんですけど、昨日走ってみてやっぱり体感は、全然違うなと。最初は本当に嬉しくて、バイクの序盤とかもうニヤニヤしながら走ってたんですけど(笑)

TKわかるわかる!

今井折り返しぐらいからもう早く終わらないかな……と思って(苦笑)。だけどランに入ってフロデノが水配りながら、「グッジョブ! マイフレンド」とか声をかけてくれるエイドがあった。もう嬉しくなっちゃって、あそこだけ元気でしたね。私もやっぱり今回はしっかり最後まで走り切るっていうレースにしたかったので、守りに入ったわけじゃないですが、バイクで潰れないよう気をつけて走りました。まずは無事終わってよかったなと。

昨日終わった後は、もうしばらくはいいかな……って思ってたんですけど、最後バイクをピックアップしたときに、82歳の方がちょうどゴールしてて。私より30歳近く上の大先輩が現役でやっておられると思うと、自分もまだまだいけるんじゃないかっていう想いが湧いてきました。それに、やっぱり同年代でも、すごい速い人がたくさんいらっしゃるので、自分はまだまだだなと。まだ上がたくさんいるんだっていうのが、すごく身にしみてわかったのと、もうちょい頑張ってもいいのかなっていうのを今日思いました。

TKどこに自分の身を置くかは、その人次第でいいと思うんですけども、コナで戦おうとしてると安穏としていられないし、頑張ってコナに出ることができたとして、その先には、また今の頑張りじゃいけない領域がある。そこでどうするか、進退を自分で決められるっていう状況はここにしかない。

コナチャレの「目標」と
「目的」としてきたもの

――自分も頑張ればいけるのかな?と思ってコナチャレに注目されている方がたくさんいます。そういう後進の皆さんにアドバイスはありますか?

今井コナチャレでは、竹谷さんからアドバイスはいただけるんですけど、基本的に、それを咀嚼して自分で決めて、やらないといけないので、やっぱり自分で目的意識をしっかりもつことが大事かと。なんか偉そうで申し訳ないですが(苦笑)。

TKやっぱり結局、決めてやるのは本人なので、私がどうこう言うことじゃない。ラフでいいので自分で計画を立てて、指針を決めていかないと、日々の選択が追い付かない。自分の行きたい方向があって、ちゃんと常に目標を見据えて、何をするかを日々自分自身で決めていかなきゃいけない。コナチャレ1期のときに同じ話をしているんですけど、コナチャレは、コナに行くことが目標だけど、「いつでもやる気になれば、コナに行けるような人になってほしい」っていうのが目的だったので、須田さんや今井さんはそういう人になってると私は思うんです。そういう意味で、コナチャレ当初の目的は達成されているかなと思います。

おふたりとも、まずは目標達成、完走おめでとうございます!

2024ニースでは女子3メンバーが世界選へ出場!

表彰台に立つにはまだ力不足

藤田智弥さん 〈F55-59〉

上りが苦手な自分にとって今回はバイクを完走するのが目標だったので、そのバイクでエイジ9位という結果には驚きました。バイクも少しずつ力がついてきたようで次につながるレースとなりました。絶景の中あっという間の180㎞、贅沢極まりない素敵なコースでした。コナチャレに参加して良かったことは、やっぱりコナへ行けたこと。そして、ほかのメンバーとつながりができたこと。変わったことは、悔いのない生き方をしたいと思うようになったこと。表彰台に立つにはまだ力不足ですが、もう一度、コナでレースに出たい!(※編注:藤田さんは2023年コナに初出場。6位に入賞している。)

自信に満ちた選手がまぶしかった

大津菜々さん〈 F50-54〉

お祭り気分で地に足が着いていない大会でした。沿道の応援が日本やオーストラリアの予選より大分賑やかでテンションが上がり、攻め過ぎて下りで落車しちゃいました。アワードパーティーで、この大会のために沢山トレーニングを積んで自信に満ち溢れた世界のお姉さま方がカッコ良くて、憧れました。自分はまだまだお子様のようで……もっと頑張ろうと思いました。ただ、コナチャレに参加して、目標をもって継続的に練習することの重要性がわかり、時間の使い方は変わりました。目標はコナ出場。最高齢トライアスリート!

やってきたことしかできない

太田成美さん〈 F35-39〉

ニースでは「やってきたことしかできない」をあらためて実感。自分に足りないことが多過ぎて、純粋に楽しめなかったレースでした。バイクコースは想像していたほど過酷ではなく、山あいの小さな村々を巡っていく道のりは飽きずに楽しめ、ハイジが出そうな雄大な絶景に感動しました。コナチャレでは竹谷さんの言動から多くのことを学びました。何事も特別過ぎることはなく、自分自身の取り組み次第で可能性やチャンスは広げられる。今後の目標は定まっていませんが、自分磨きをしながらコツコツと成長していきたいです。